中国の経済発展とルール遵守状況

中国は今、すさまじい勢いで経済発展している。南京市も常州市も郊外へ行けば建設ラッシュで、次々に新しい建物が出来ている。新幹線だって、南京ー上海間が最近開通したばかりなのに、新しい路線の建設が行われていた。ビルも商業施設も、最近出来たと思われるものが多い。

日本だけではなく、先進国からの技術流入がかなり進んでいるようである。安価な人件費を求めて中国へ進出して現地生産している日系企業が多い。これも日本から中国への技術流出につながっているようである。

でも何かおかしい。ふつう重要な技術は簡単に流出しない。何故なら特許制度があるからである。特許を取得しておけば、他者が簡単に真似できないし、真似するとしたらそれなりのロイヤリティを支払うのが当然である。よって発明者に不利になる事態はめったに起こらない。

ではどうして技術流出が問題になるか。中国にも特許を含めた工業所有権を保護する法律はあるらしい。しかしそれが機能していない。ルールはあっても、取り締まりが十分に行われていない。そして中国人には「物を盗むのは悪いことだが、真似するのは悪いことではない」という考えが根強いらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E7%9F%A5%E7%9A%84%E8%B2%A1%E7%94%A3%E6%A8%A9%E5%95%8F%E9%A1%8C

話は変わるが、中国で奮闘している日系企業の方と話をした。この国はルールはあってもルールを守らないことが多いそうだ。工場の排水の水質が基準値をオーバーしたら、環境保全関係の役所の役人に睨まれる。しかしそこでソデの下からそーっと何かを出して役人に渡すと「まあ。しょうがないか」と言って許してもらえるそうである。日本ではあり得ない話で、罰金または懲役になってしまう。

これだけ広く、人口も多い国では、取り締まりが行き届かないのも、仕方ないかもしれない。しかしこれでは、たとえ経済発展しても、国際的に一流国と見なされないのではないか。

ルールはあってもルールを守らない。自分で考えて行動しなければいけない。これって自己責任なんだろうか。ルールを真面目に守る人が、あんまりだ。

問題の根は深いようである。

長文失礼しました。


写真は、上海駅に並んだ新幹線