世界は環境問題をどう見ているか(23)

今回はロシアの巨大な淡水湖“バイカル湖”についての話題です。世界中の至る所で水不足が問題になっていますが、あの巨大なバイカル湖の水位もピンチになるような事態が発生しているようです。出典は米国Yahooです。

http://news.yahoo.com/russia-sounds-alarm-lake-baikals-water-levels-drop-205950468.html

2015.1.20

Russia sounds alarm as Lake Baikal's water levels drop
ロシアはバイカル湖の水位低下について警鐘を鳴らしている


<本文要約>
ロシアはバイカル湖の水位について警鐘を鳴らした、バイカル湖は世界最大の淡水湖だが、その水位が最低記録となった、これは乾燥した気候と周辺の工場の水の過剰使用によるものいうことである。
環境保護主義者、漁師、そしてバイカル湖の水を使っている水力発電所によってエネルギーを得ている産業界は、毎年その湖のことで言い争っている。イルクーツク水力発電所はバイカル湖から流れ出るアンガラ川の上にあり、イルクーツクなどの大都市へ電力や水を供給している。そして巨大アルミニウム工場へも送電している。
バイカル湖―それはロシアで最も目立った特徴を有する湖で、地球の淡水の1/5がここにある。しかしここは大規模な工業や地元の人々の水に関する争いごとの火種でもある。
「年々、エネルギー関連業者はより多くの電力を得るためバイカル湖の水位を下げたいと思っている。」アレキサンダー・コロトブ(ロシア、中国、モンゴルそして米国の国境なき河川の環境保護主義者連合のコーディネーター)は語った、「しかし、それはエコシステムに悪影響を及ぼす。」と。そして水位が低下すれば魚の産卵が阻害され、藻類が増えてしまうということにも注意が必要である。

<コメント紹介>
コメントは全部で377件でした。そのうち6件紹介します。

「こんなことは世界中で起こっているよ。我々は利用できる水を使い果たそうとしている。」

「その水は瓶に詰められているようだし、それが中国のスーパーマーケットに打撃を与える。そしてロシアの原油は高騰するのさ。」

「私はこれを読んで、アラル海のことを思い出しました。あのときプーチンはどこに居たのでしょうか。」

「ロシアでは他の大きな湖でもこのようなことが起こったよね。数年前世界ナショナルジオグラフィに載っていたことを覚えているけど、あれは確か農業や工業のための取水によって干上がったんだったよね。大きな船舶が砂の中に取り残されていたよ。」

「私は驚いたけど、これは大きな湖だね。カナダのグエートスレイブ湖やグレートベア湖とほとんど同じくらいの面積だよ。でも、とても深いんだね。」

「私は何年か前に旅行でここを訪ねたことがあります。とても素敵な自然の風景に感動しました。だから私はロシアが将来のために有効な対策を打つことを望みます。」

<解説>
以前もどこかで述べたと思いますが、世界では水の汚染よりも水そのものの不足で困っている人々の方が多いようです。今回の問題は、世界最大の水ガメであるバイカル湖の水位が異常に低下しているというショッキングな話題です。
 コメンターの方も言っていますが、アラル海の面積が大幅に縮小しほぼ消滅した時も大きな問題になりました。そのとき大きなたくさんの船舶が干上がった土地の上に取り残されてしまったのです。このアラル海カザフスタンウズベキスタンに跨った湖なので、正確にいえばロシアではありませんが、近いところで同じような問題が起こっていたわけです。この原因は、旧ソ連の頃からアラル海に注ぐ河川の水を農業用にたくさん使ったためと言われています。
 そうは言ってもバイカル湖周辺の産業を維持するための水力発電は不可欠のため、水使用量を減らせない事情があるようです。水力発電の代わりに天然ガスや石炭を用いた火力発電を建設するか、または遠方から送電線により電気を融通するか、何か有効な対策はないでしょうか。