世界は環境問題をどう見ているか(49)

Typhoon floods Chinese stadium like a bathtub
台風による洪水で、中国のある競技場がまるで風呂桶のように

今回紹介するのは、ある中国の競技場の洪水被害です。写真を見てもらえば、その凄まじさはわかると思います。台風の威力もすごかったんでしょうが、この競技場の水はけや下水道システムはどうなっているんでしょうか。出典は米国ニュージャージー州のニュース通信社CNBCです。

http://www.cnbc.com/2016/07/08/typhoon-floods-chinese-stadium-like-a-bathtub.html?

2016.7.8

<本文要約>
この写真は、2016年7月6日に中国湖北省武漢市の新華社ロードスポーツセンター競技場で撮影されたものである。
6月18日以降10日間ほどこの地域は最悪の洪水に見舞われた。その嵐は各地に1〜2フィート(300〜600mm)程度の雨量をもたらし、風速は125マイル/h(55m/秒)であった。
BBCによれば、これによる死者は186名、行方不明45名、140万人ほどが避難しているという。
この嵐は弱まったが、まだ数インチ(10〜20cm)程度の浸水が各地に残っている。
この武漢市は人口一千万人で、中国中央部では最大の都市である。新興ビジネスメディアの“Quartz”によれば、そこが何週間も水面下になっている。
この記録的な洪水は、この地方の競技場を水で満たしてしまった。それはこの写真のとおりである。問題の一つは水はけの悪さだが、これは都市の開発を早く進め過ぎたのがいけなかったとQuartzの記者は批判している。武漢はかつて100ほどの湖を有する街として知られていたが、1949年以降127のうち45の湖は排水されたり埋め立てられたりした。
政府はこの問題を解消するため20億元(日本円で約300億円)をつぎ込むことを約束したが、ある文書によれば汚職が発生して、それが必要な堤防の建設を遅らせているとのことである。

<コメント紹介>
コメントは全部で7件でした。いくつか紹介します。
「排水システムは重要だよ。」
「ここへ魚を放流して釣り堀にすればいいんじゃないの。」
「オープンな位置にドアが無いのかな。火災時の避難はどうするつもりなんだろう。」
アメリカの南部、ハワイそしてプエルトリコの非白人系コミュニティは、ワシントンD.C.の白人系政府から全額支援を受けることはないよ。」
「そしてこの水質も悪い違いない。」
「世界最大のプールだね。」
「中国は米国と同じような建設バブルだったよね。でも下水道を忘れていたとは、中国製の典型だね。」

<所感>
いかがでしょうか。
下水道システムが無いことはないとは思いますが、グラウンドの水の排水までは出来ないんでしょうか。または街全体が洪水被害を受けていることを考えると、街の下水道施設そのものが処理能力オーバーにより麻痺していることも考えられます。そしてグラウンドの土の質の問題、つまり水はけの悪い土壌なのかもしれません。また競技場から水を外へ放出すると周辺住民の被害が拡大するので、あえて排水ぜずに、このように場内に水を貯めてあるのかもしれません。
台風シーズンはまだまだ続きます。日本でも小笠原諸島付近に5号が発生し、数日後に接近するようです。備えを万全にしておきたいです。