世界は環境問題をどう見ているか(58)

'Oil-like' blobs hit Japan beaches after tanker sinks
タンカー沈没後、油状塊が日本の海岸を襲う

今回紹介するのは、1月中旬に南西諸島付近で発生したイラン国籍のタンカー火災沈没事故による環境破壊の話です。そこから油が大量に漏洩し、日本近海を少しずつ汚染してしまうのではないかと不安視されているようです。何故か日本ではそれほど大きく報道されていません。出典は、米国Yahooです。

https://sports.yahoo.com/oil-blobs-hit-japan-beaches-tanker-sinks-101603003.html

2018.2.2


<本文要約>
油状塊が南日本の島々を襲う、3週間ほど前にその付近の海で沈没したタンカーからその恐怖が迫っている。
イランのタンカーであるサンチ号は111,000tの軽質原油を積載していたが、それが1月14日に東シナ海の日本の経済水域で火だるまになった。そしてそれは莫大な環境破壊をもたらすことになる。日本政府はその油状物質の原因を分析している。そして沿岸警備隊を派遣し、浄化活動をしている。
環境学者と数名の科学者らは、それらが日本の海岸に影響を与えることを警告している。グリーンピースの科学者ポール・ジョンストン氏は専門家らにそれらを一掃しその海域を監視することを、強く促している。「イルカや鳥たちは高いリスクにさらされている、そして魚までもが汚染されるだろう。」と金曜日に彼は記者声明の中でそう語った。
当初、日本と中国の専門家らは、燃料油分は海上で広範囲に広まって薄まったし、しかもそれは蒸発してしまうだろうと言って、漏洩事故が発生したときその環境破壊のリスクを軽視していた。 
しかしサンチ号によって運ばれてきた凝縮油は、漏洩しても広く薄まるような状態にはならない性質を持ち、しかもそれは海の生命にとって高い有毒性を持ち、その上、海水からの分離は困難である。
<コメント紹介>
コメントは全部で8件でした。そのうち5件を紹介します。

「中国が金を払うべきだ。」

「少し待ってくれ、トランプ大統領が承認したら、ここ米国の浜辺に穴を掘るから。それらは大きな油膜になるよ。油は漏れるけど水とは混じらないからね。」

「でもそれは、放射性物質や水銀の海洋汚染に比べれば、大したことないよ。」

「こういう汚染は、大手石油会社へ間接的に助成金を送るようなもんだね。」

「何らかの油除去対策を打たなければ、付近では10年は海水浴ができなくなるだろうね。
昔、原油タンカーのアモコ・カディス号がフランスのブリタニー海岸沖で沈没したんだよ。そのときは私は子供だったんでよく知らなかったけど10年かかってるし、それ以降も数年は泳ぐときに恐怖感を味わいながら泳いでいたからね。」

<所感>
 最後のコメントは、フランス人の方が書いたんでしょうか。調べてみたら、アモコ・カディス号は1978年にフランス沖で座礁して、大量の油が漏れたという事件があったようです。
 それにしてもこの事件、日本のかなり広い範囲の海岸に影響を及ぼしそうです。本文によれば、政府は調査や浄化活動をやっているようですが、初めの見通しは甘かったようだし、不安は増すばかりです。そして日本のマスコミはほとんど報道しません。政府がマスコミらに口止めしているんでしょうか。不安をあおって国民がパニックになってもいけないので、抑えているんでしょうか。本当に大したことはないと見込んでいるんでしょうか。よく判らないです。