こんな商売があるのか

ある食品工場の排水処理担当者が悩んでいた。

排水処理がうまくいかない。BODもCODも十分に除去できない。
ネットで調べたら「貴社の排水処理場の汚泥をお送りください。診断して、改善のアドバイスをいたします」という触込みの会社が見つかったので、汚泥を少々ポリビンに入れて、そこへ送ったのだそうだ。

その診断結果を見せてもらった。この会社独自の解析技術と計算式を用いて、明確な診断結果が出ていた。

「汚泥濃度をもっと高くしてください」というアドバイスがあったが、それが簡単にできれば苦労しないのに‥‥。

「空気量が不足しています」というアドバイスもあった。担当者はそれを読んで、ブロワを増やすしかないと思って、購入したそうだ。でも、うまくいかない。悩んでいた。

このアドバイス、現場の状況をじかに見て判定したわけではないので、どうしても的を得た言葉になっていない。空気量不足はブロワの数の問題ではなく散気管の手入れの問題だったのだ(たぶん)。

優れた解析能力を持つ技術者でも、現場を見ないでアドバイスするのは限界がある。でも汚泥を調べただけでここまでのアドバイスができるのは、ある意味すごい気がする。

この商売、本当に引き合いが多いのだろうか。繁盛しているのだろうか。自分にはマネできない。