法令の壁

世の中には、製品としては優れていてどこから見ても従来品を凌ぐと思われるが、何故か普及の遅いものがある。

たとえば、バイオトイレである。便器の下の槽にオガクズを入れておき、微生物の働きと撹拌によってし尿を浄化する装置で、水を使わない上廃棄物量もかなり少ないという利点がある。(このブログでは特定の商品の宣伝はしたくないので、一般名称を用いることにする。)

先日、若手技術士3名で企画運営しているセミナーを開いた。講座の後で出された多くの質問に対しては、私または他の講師がある程度回答させていただいた。しかし「バイオトイレがなぜほとんど普及しないか」についてはまともな回答ができず、少々申し訳ない気持ちが残った。

そこで、帰宅してからいろいろ調べた。
普及しない理由の一つは、建築基準法で「下水道処理区域で水洗便所以外の設置を認めていない」ことらしい。
下記URLのとおりである。
http://homepage2.nifty.com/happa64/hourei/01A/0200/01A-00310000-00.html
下水道普及率は7割を超えているから、普及の障壁としてはかなり大きい。

法令の壁は強固な場合が多く、この場合は、トイレメーカーが強力に支えていることが容易に推察できる。

海外では実績が増えているようである。国際的に普及が進んでそれが世界的な潮流になれば、外圧によりこの壁が崩れる日がくるだろうか。