TPP問題を語る、考える、そして斬る(その2)

昨日名古屋で開かれたTPPシンポジウムの記事が、今朝の中日新聞1面に掲載された。その詳細は3面に載っている。

TPPは工業、農業、サービス業だけでなく多くの分野に影響を及ぼす。医療分野も例外ではないと思っていたが、昨日のシンポによればTPP交渉の対象外とのこと。確かに日本の「国民皆保険制度」は貴重であり、これが守られなかったら、たまったものではない。日本国民の平均寿命の長さも、この保険制度によるところは大きいだろう。米国が何と言っても、日本の医療制度は守るという力強い回答が古川元久国家戦略担当相から得られたようだ。

技術者なら知っている方が多いと思うが、昨年9月に米国の特許制度に一大改革が起こった。知的財産について、ついに「先発明主義(先に発明した者に権利を与える)」から「先願主義(先に出願した者に権利を与える)」へ転換する法案が米国上院にて可決された。他の先進国は数十年前から先願主義であり、何故かアメリカだけが遅れていた。でもこれで知的財産の分野でも世界の先進国の足並みが揃うことになった。

評判の悪かった、あの米国先発明主義がついに崩れた。こうして「国民皆保険制度」が存在しない米国の医療制度も、米国自ら改革に踏み切ると最も好都合だが。もちろん米国民も皆幸せになるだろうし‥‥。

そんなことを考えてみた。