世界は環境問題をどう見ているか(1)

今回は米国Yahooの環境に関する記事を紹介します。
http://news.yahoo.com/water-everywhere-dr-congo-city-yet-scarcely-drop-034255979.html

2014.7.12
【Water everywhere for DR Congo city yet scarcely a drop to drink】
コンゴ民主共和国の至るところに一滴の飲料水さえ得られない場所がある】

<本文要約>
コンゴの東にあるキブ湖のほとりにゴマ市がある。市及び周辺に100万人近くが暮らし、湖に近いにもかかわらず多くの人は飲み水が得られず苦しい生活を強いられている。水道インフラが無いため、水を運ぶため湖と家を行き来しなくてはならない。水を運んで売ることにより生計を立てている人も居て、自転車などに容器を積み込んで一日120ℓの水を運んで市内で販売している。
インフラとしては水道だけでなく電気も満足に使えない箇所が多い。また失業者も多く、さらには政情不安により多くの難民が流入して人口が膨れ上がっている。そして治安も悪い。などなど数え切れないほどの問題を抱えている。そして政府も水道インフラ整備に本気で取り組んでいないことも大問題である。
最近このインフラ整備不足に抗議する組織”Lucha”が立ち上がった。抗議のため3500人分もの署名を集めて政府へ提出し、FacebookTwitterを通じて世界中に発信している。
市の病院で働く某看護師は、水の衛生状態も問題視している。塩素消毒が不十分のため下痢や発熱を訴える患者が多く、大変苦しそうであるとのこと。彼女は訴える、この状況は尋常ではないので政府は全家庭に水道を完備すべきだ!と。


<コメント紹介>
短いコメントとしては、
「我々(米国人)はきれいな水や教育などが得られる国に生まれたことを感謝する。彼らに幸せあれ」「せめて水を運搬する手段さえあれば」
このあたりは、よくわかります。

技術的なコメントとしては、
古代ギリシャやローマなどでも水道はあった。竹を使っても導水管は簡単に作れるし、その気になればできるだろう。塩素注入技術も決して難しくはない。」
なかなか水道技術に詳しい方のようです。それにしても竹でそんな簡単にできるのか、アフリカのこの地域で竹が簡単に入手できるか、というような疑問は感じます。
この“塩素消毒法”世界中でよく使われています。日本では、水道法第22条及びそれに関連する水道法施行規則第17条に「給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/ℓ(結合残留塩素の場合は、0.4mg/ℓ)以上保持するように塩素消毒をすること。」とあります。消毒や殺菌には紫外線やオゾンを使う方法もありますが、その消毒効果の持続性から昔から塩素消毒法が採用されています。

そして問題をさらに広く捉えて政治的、歴史的な考察を加えたコメントもあります。
「金銭的援助はもうやめるべきだ。彼らはその金をインフラ整備、健康、教育などに活用していないようだから。むしろ水を汲んで送るような技術や設備を伝授すべきだ。」
「これがアフリカなんだ。ケニアなどはイギリス植民地だった頃は電気、きれいな水、トイレなどが存在した。その後独立したが、政府の政策が悪いこともあって低水準の生活レベルとなっている。アフリカ諸国の独立って、本当に良いことだったのだろうか。」
いずれもなかなか深い話です。特に後者の発想は日本人では思いつかないように思います。

以上です。