世界は環境問題をどう見ているか(6)

今回はインドのYahoo記事からの紹介です。前回と同じように渇水に悩む地域での飲料水供給の話です。舞台はインド北西部のRajasthan州で、乾燥砂漠気候です。世界には排水垂れ流しによる汚染が問題になっている地域ありますが、水そのものが無くて困っている地域の方が多いのかもしれません。

https://en-maktoob.news.yahoo.com/water-atms-bring-smiles-faces-rajasthan-villagers-074610814.html


2014.8.30
Water ATMs bring smiles to faces of Rajasthan villagers
水ATMがRajasthan州の村に笑顔を運んできた
<本文要約>
 インド近代技術エネルギー大手のBarmer社は飲料水欠乏でよく知られているRajasthan州の2つの村に水革命をもたらした。ATM方式の飲料水配給装置で、カードを通すと5ルピー(日本円にすると約8.7円)で20ℓの水が手に入る。
 Cairnインド社の“Jeevan Amritプロジェクト“の下で、逆浸透装置(RO)のあるキオスクが設置され、安全な飲料水が多くの村民22,000人の役に立っている。
Rajasthan州は面積にして国の10.4%、人口は国の5.5%だが、入手できる水の量は国のわずか1.16%に過ぎない。よってその装置の数と配置を考えると、将来はさらに増設するということが期待されている。
 その村の水委員会(水ATM装置などの運用を担う村の組織のことか)では、自販機を使うことにより生み出される収入が、オペレーターの人件費、電気代そして修繕費などのようなROプラント運用経費に見合うようにすることにより村が自立していけるように運営している。得られた利益は、村で必要な開発事業などに使われる。
 これらの水キオスクは良好な自治のモデルともなった。水委員会の取組みが村民のアイデンティティを目覚めさせ、村の社会的活動を好転させた。RO装置稼働による好影響に加えて、委員会は多くの開発事業に着手している。


<コメント紹介>
コメントは全部で59件でした。いくつか紹介します。
渇水気味の地域であるTamilnaduでもやってほしい。」
「素晴らしい。我々は皆この取り組みに加わり、出来ることはなんでもするよ。」
「これは素晴らしいニュースね、久しぶりだわ。」
「偉大な偉大なイニシアティブだ。いい仕事だCairnインド社。次はインド全体へ広めよう。」
「素晴らしい。Cairnインド社に敬意を表する、いい仕事だ。」
「良い取り組みを始めたね。でもこれ、ずっと続けるべきだよね。」
「とても誇らしいことだわ。素敵!これからも続けてね。」
「これは特にRajasthan州の村の住人にとっては驚くべきことだ。こんな素晴らしいことは、乾燥気候のRajasthan州全体に広めるべきだ。」

おおむねこの取組みを支持し賞賛するコメントが多いです。ただ喜ぶだけでなく、これを続けるべきだというコメントもあります。

またこれらのコメントを読んでいたら、単語のスペルミスが多く目につきました。と言うかこれは、インドの各地方特有の方言のようなものかもしれません。そうでなければ、この国の人々の隅々まで語学教育が行き渡っていないのかも知れません。

<解説>
 水処理方式には様々なものがありますが、ここで使われているRO(逆浸透膜方式)とは、水中の濁りや細菌だけでなくイオンまで除去できる高度な処理方式です。もちろん日本にもあります。電子部品工場のような純水に近い水を使う工程や、海水を淡水化して飲み水を製造するプラントでよく使われます。
 しかし飲料水をATM方式で、しかもROで供給するという発想は、日本の技術者の感覚ではまず思いつきません。いずれにしてもこの方式で多くのインドの水不足が解消されれば素晴らしいと思います。
 Cairnインド社以外にも、ATM方式の水配給装置を導入して飲料水供給に貢献している会社もあるようです。下記URLをご覧ください。
http://www.lifehacker.jp/2014/05/140504mugendai_sarvajal.html