世界は環境問題をどう見ているか(27)

"Aral Sea Looks Like a Painting from Space"
「宇宙から見るとアラル海は塗り絵のように見える」

今回は、世界的に有名なアラル湖縮小の話題です。ウズベキスタンカザフスタンはいずれも旧ソ連ですが、この両国にまたがるアラル海が大変な勢いで縮小しています。かつては世界第4位の面積を誇っていましたが、今ではその1/4程度にまで縮小しました。世界最悪の環境破壊の一つと言われています。出典は英国Yahooです。

https://uk.news.yahoo.com/aral-sea-looks-painting-space-120015822.html#yLEfvfG

2015.3.31



<本文要約>
以前青い水をたたえていたアラル海は縮小し、干上がった白っぽい湖底が現れている。しかしレーダー衛星の目には、その湖だった部分の陸地がカラフルな抽象画のように見える。
かつては世界で第4番目に大きな湖だったアラル海は破壊された。その湖に流入していた2つの川は50年前にソ連の灌漑プロジェクトのために方向を変えられ周辺の砂漠へ注がれるようになった。1960年以来、その容量は90%減少した。アラル海が縮小したことにより、漁師や地場産業は被害を被った。その干上がった湖底は塩分が多く、農業用肥料や農薬で汚染が蓄積しているが、それが粉じん嵐となって人々の健康被害を引き起こしている。
このアラル海の新しい画像は、欧州宇宙機構(ESA)のセンチネル1Aからのレーダーから得られたものである。この画像は実は3つ別々にレーダーから得られたもので、赤は2014年10月7日、緑は2014年12月28日、青は2015年2月15日のものである。これらの像の変化を合成したものである。左側の黒っぽい領域にはまだ水が残っている。
センチネル1A衛星は2014年4月3日に打ち上げられたが、1年間の飛行を終えて宇宙から戻り全天候型の地球の昼または夜の地球の画像を捉えるレーダーを搭載する。

<コメント紹介>
コメントは4件だけです。以下に紹介します。

アラル海は歴史上最大の環境破壊の一つだね。写真のうちの一つを良く見てごらん。砂漠の中央部に船が残っているよ。」

「渋い写真だね。」

「海へつなぐパイプラインが必要だね。」

旧ソ連時代の良い計画だったんだよね。」

<解説>
本文に記載されている通り、アラル海縮小がもたらしている環境破壊による影響は「漁師や地場産業は被害を被った。その干上がった湖底は塩分が多く、農業用肥料や農薬で汚染が蓄積しているが、それが粉じん嵐となって人々の健康被害を引き起こしている」ことです。面積がこれだけ縮小しただけでも十分衝撃的ですが、それによる農業、漁業さらには健康への被害が大きいことが世界最大の環境破壊の一つと言われる所以でもあります。原因は、旧ソ連中央部の綿花生産増強のために多くの水が使われるようになり、その結果アラル海への流入水量が減ったためと言われています。
 衛星からの画像がカラフルで面白いということですが、それはそれで興味深いのですが、コメントはいずれも短く、議論を掘り下げるような内容のものは無いようです。