世界は環境問題をどう見てるか(52)

China tells local meteorological bureaus to stop smog alerts
中国は地方の気象局にスモッグ警報を止めるよう伝えている


 今回紹介するのは、中国の大気汚染問題の記事です。この国の大気汚染がひどいことは、既に世界中に知れ渡っていますが、それをそのまま発信せず隠そうとしているようです。しかしそれにも限界はあるでしょう。出典は米国Yahooです。

https://www.yahoo.com/news/china-tells-local-meteorological-bureaus-stop-smog-alerts-041929792.html

2017.1.18

<本文要約>
中国は地方の気象局にスモッグ警報の発令を解除するよう通達を出している。大気汚染の問題が大きくなって民衆の怒りの矛先をかわすため、政府が国の大気汚染についての情報をもみ消そうとしているのである。
中国政府にはスモッグ警報の度合いを色によって示して通達するシステムがあり、赤(レッドカード)なら過酷な大気汚染が72時間以内に発生するということを示す。その通達の内容は、路上での車の運転禁止から、公害のひどい工場の操業中断にまで及ぶ。
地方の権力者らは長い間そのような通達を出し渋っていたが、その理由は経済活動が抑えられるからであり、例えその公害レベルが桁外れに高くても出し渋っていた。
中国では大気汚染に対する民衆の怒りが高まっているが、これはここ10年で広範囲に拡がった環境問題を犠牲にした急激な経済成長によるものである。子供の親たちは、肺ガンを引き起こすほどの悪影響に対し怒りを露わにして、学校に空気清浄機を設置するよう要求している。今月初旬、多くのソーシャルメディアは、北京を覆う濃いスモッグへの民衆の怒りを伝えているが、それらのネット上の書込みはすぐに削除された。これでは彼らの不満は鬱積する一方である。

<コメント紹介>
コメントは47件でした。そのうち6件紹介します。

「中国お得意の問題解決法は、欺瞞と検閲だね。本当にそう考えているなら、冗談のような国だ。」

「これじゃ超大国ではないね。超公害国だよ。」

「彼らは空気の質やそれらの悪化度合いについて偽っている。中国人は皆そのことを知っているが、それらのことを口外すればトラブルに巻き込まれるんだろうね。」

「中国よ、あなたたちが本当にやるべきことは何なの?そんなきたない空気を吸って生きて行けるのか?弱者や老人は外出するなって?そりゃ死ぬしかないだろ。」

「世界の公害の著しい都市ワースト20の中に、中国の都市が16もあるんだよ。」

「中国のやり方には、大きな落とし穴があるんだよ。それは“ネット上の書込みを削除してもその公害を隠すことはできない。”ということだよ。民衆はその公害の中で暮らしているんだし、怒りを霧散させることはできないよ。」

<所感>
 いかがでしょうか。これだけ情報化が進んだ世の中では、世界中の誰もがパソコンやスマホで簡単に世界中の情報を入手できます。隠せるわけがありません。既にそのことが知れ渡ってから書込みを消しても遅いです。それにこの大気汚染は、隠すことが不可能なくらい既に広範囲に拡がっています。
 40年前にも日本で同じようなことがありましたが、隠したりせず日本の環境技術者らは公害問題に正面から取り組み、解決してきました。これによって培われた公害防止技術の成果は、日本が世界に誇れるものと言っていいでしょう。
 日本の公害防止技術で、中国やその周辺国の環境問題に貢献すべき時期がもうすぐそこまで来ているようです。