さらば戦友よ、達者でな!

ショッキングなことがあった。

高山の水質調査で一緒に取り組んできた若手女性技術者が、突然仕事を辞めてしまったのだ。

 

思えば一昨年、あの湖で原因不明の赤潮が発生し、現場を見て二人で頭を抱え込んで、いったい何故こんなきれいな山奥の湖でこんなことが起こるんだと、どう発注者に説明しようかと、途方に暮れた。でも彼女の頑張りと、私の多方面からの情報収集が功を奏して、それを彼女が立派な成果物に仕上げてくれたおかげで、かなりの高得点を得た。それが何と会社の最優秀業務賞に選ばれ、彼女はその成果を全体会議で全社員の前で堂々と立派に発表してくれた。

 

あのときの現場での絶望感、そして高得点を叩きだした時の達成感を知っている人物が居なくなる。本当に寂しい。戦友と呼ぶしかない、そんな存在だった。

 

これからカナダに渡って本場の英語を勉強して、その後に地元に帰って何か仕事を見つけて充実した生活をしたいと、最後にそう言い残していた。

 

とにかく幸せになってほしい。そう願っている。