ある大学の試験問題

友人から聞いた話です。
ある大学の工学部の期末試験でこんな試験問題が出ました。「有害物質を扱う会社の排水の水質異常を常時監視する方法を述べよ。」

学生たちは考えました。みんな優等生で「重金属濃度を調べるため電気伝導度センサーを取り付けておいて監視盤で常時数値を把握する。」「pHが基準を外れたらブザーが鳴るようにする。」「濁りを検出する光透過度センサーを取り付ける。」「有機の汚れには赤外線センサーが良い。」などなど。でも全て不正解でした。

正解は「会社の最終放流槽でコイを飼う。そしてコイ君の元気がなくなったら水質異常と考えて対策を取る」でした。学生たちは怒ったそうです。「なんだそりゃ。そんなの工学部の試験問題じゃないだろ。」と

でも、この先生の教えは正しいのです。水質の項目には、pH、濁り、大腸菌数、重金属含有量、BODなど多岐に渡っており、それらを同時に全て検出する機器は存在しません。それならコイ君の様子を見て、判断した方がいいということになります。

「生命の不思議」という言葉がありますが、どれほど科学が進歩しても生物の持つ能力にはかなわないということは結構あるようです。

福島の汚染水を水槽に貯めてコイを飼って、そのコイの刺身を首相や閣僚がみんなで食って見せたら風評被害は減る‥‥‥‥‥わけないよな。 バカなこと考えないで、もう寝よう

 

2023年度技術士会愛知県支部年次大会

6月10日、技術士会愛知県支部の年次大会が行われました。
会場は名古屋国際センター近くのツドイコ名駅東カンファレンスセンターC室でしたが、Webも用いたハイブリッド方式でした。
支部長挨拶とご来賓の皆様の紹介に続き2022年度事業報告・決算報告、2023年度事業計画案・予算案、そしてご来賓の皆様の挨拶と続きました。
後半は、近畿本部本部長の田岡直規様による特別講演「これからの技術者に求められるもの~『未来を拓き次代を創る技術のエキスパート』として~」でした。
まずは昨年の奈良での全国大会の苦労話、近畿本部の状況や活動状況の紹介がありました。続いて事故事例の分析に基づいた技術者に求められる能力についてのご講演をいただきました。
事故事例解析については、技術導入の際にその背景の技術思想を習得することの大切さを感じました。我が国は明治以来欧米から技術を取り入れて急成長したのですが、もうその欧米盲信を見直すべきと痛感しました。そして多くの事例を判りやすく比較し整理されて、今後の技術者に求められる能力として明快に方向付けをされている点も素晴らしいと感じました。
今年度は11月に愛知で技術士全国大会が開催されます。成功に向け、愛知県支部や中部本部に皆様の力を結集して一丸となって取り組んでいきます。皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。



緊急出動

クライアント様から電話あり。

「排水処理設備の放流水の水質が急に悪くなった。かなり濁っている。どうすればいい?」とのこと。

 

駆けつけて、いろいろ調べたら、

pHがずいぶん低く、5.0程度であった。正常な範囲は5.8~8.6であり、それを外れている。

原因は、何かの拍子にpHの低い排水が流入したんだろう。

対策としては、とにかく生物反応槽に苛性ソーダなどを投入してpHを正常値に近づけることが良いと伝えた。

 

汚泥を顕微鏡で見る限り、ロタリアなどの微生物は元気に動いているので、そんなに重症化していない。根気よくpHを調整すれば少しずつ回復するはずだと伝えた。

あとはこういう場合の適切な運転条件を伝えて、ひとまず納得していただいた。不安がないわけではないが、そんな素振りを見せるわけにいかず、大丈夫でしょうと伝えた。

 

それにしても、こういうのは技術コンサルとして最もプレッシャーのかかる局面である。

エコアクション21審査

西三河のある会社で、エコアクション21の審査。
これはISO14001みたいなもので、簡単に言えば環境にいいことをきちんとやっているかチェックして指導するという仕事である。
ここは塗料やシンナーを何種類も使っている会社で、いわゆる危険物である。
でも整理して数量把握することが苦手とのこと。
 私は昔危険物乙4という資格を取ったので、こういうことは判る。
4類なら種類ごとに指定数量が決まっているから、各々それで割ったものを合計したら倍数が計算できると伝えた。それでも戸惑っていたので、Excelで計算シートを作ったら喜ばれた。0.162倍になったので、届け出は不要で危険物倉庫みたいな面倒な小屋を建てる必要もない。よかったよかった。
木枯らしの吹く寒い日だった。

知り合いの韓国の技術士の方からメールあり。

コロナ陽性になったとのこと。

 

「そりゃあショックだね、大変だね。早く元気になってね。」という返信をしたら、

「会社に電話したら、1週間出社しなくていいって言われた。体は元気そのものだし、思いがけない形で1週間も休暇がとれるんで、うれしいよ。」と喜びの返信が来た。

「家から出られないので、ちょっぴり退屈だけど、テレビやネットを楽しんで過ごすよ。」とも言っていた。

 

日本人なら感染したらたいてい落ち込んでしまうのだが、韓国人は前向きに捉えるらしい。こういう状況を楽しめるなんて‥‥‥、お国柄が違うんだろうな。

いちごビニールハウスでひと仕事。

と言っても農家へ弟子入りした訳ではありません。

 

温度が下がりすぎると収量が大きく減ってしまいます。

そこで冬の朝などにボイラで加温するわけですが、重油の価格が高騰し続けていて、大変深刻な状況です。

 

そこで私が呼ばれた訳ですが‥‥‥

 

いろいろ重油や電気節約のためのアイディアを伝えましたが‥‥‥

 

何とかこの厳しい冬を乗り切って、春にはいちご豊作になることを切に願って、省エネ診断報告書を納品させていただきました。

 

ハウスの外は、少し秋風が吹いてました。