世界は環境問題をどう見ているか(11)

今回は地球温暖化ならびに気候変動の話題です。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」はコペンハーゲン地球温暖化を巡る最新の研究成果をまとめ、11月2日には第5次統合報告書を公表しました。
地球温暖化や気候変動は、数ある環境問題の中で最もスケールが大きいと言えるし、将来的にもその影響は極めて大きいです。出典は米国Yahooです。

http://news.yahoo.com/u-n-climate-change-draft-sees-risks-irreversible-113906657.html

2014.10.26

U.N. climate change draft sees risks of irreversible damage
国連気候変動草案には、後戻りできないリスクのことが記載されている


<本文要約>
気候変動は人類や自然に深刻で広く蔓延ししかも後戻りできない.問題を引き起こす、これは国連が今週提出する素案によるものである。
100以上の政府やトップ科学者らの代表団が10月27〜31日にコペンハーゲンに集まりそのレポートを編集する。これは国連加盟国のためのガイドであり、2015年パリで開催される気候変動対策サミットを睨んだものである。
金曜日にはEUのリーダーらは2030年までに排出量を1990年比で40%削減することを合意した。そして化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトや排出量の多い中国や米国にもそれを勧めることにしている。
過去の報告書が警告しているのは、温暖化は人間のタイムスケールにおいて後戻りのできない影響を残す、例えばグリーンランドの氷の融解が海面上昇を引き起こし、フロリダからバングラデシュの海岸が水没することになる。
世論調査によれば、多くの人々(特に米国)は気候変動に対し責任を負うべきだということを確信していないし懐疑的である。このような大衆と科学者らとの間の意見の食い違いは、パリ協約(2015年末にパリで行われる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議、いわゆるCOP21)において大きな課題となる。

<コメント紹介>
コメントは何と2,832件もありました。しかも一つ一つのコメントが長いです。もちろん全ては読み切れません。いくつか読んでみたのですが、どれもこれもIPCC地球温暖化に対して懐疑的で、同調する意見は見当たりませんでした。これが米国民の普通の感覚なんでしょうか?

「国連の報告書は全くのインチキだ、気候変動も地球温暖化もカーボンフットプリントも。奴らはアジェンダ21の目標を達成するために環境問題を利用している。そして彼らは地球では5億人しか生きられないと信じ、残り75億人を締め出そうとしている。アジェンダ21は病的な連中によって編集され、それに取り組もうとしている人たちの支持を得ている。その一人がバラク・オバマなのさ。」

「幾人かの人は恐怖を与え、幾人かの人は恐怖を与えられる、そして幾人かの人は彼ら自身のために考える。私はこんな誇大宣伝を信じない。だって人類の活動が無くても地球は暖かくなったり寒くなったりする。人間は有害なのか?そうじゃないだろ。我々人類が良識を持ってこれらをきれいにするために技術を進歩させれば、それは正しい行為だろ。」

「そういうことはアホで間抜けな中国に言ってやれよ。やつらは80年代以来進歩していないし状況を理解していない。昔よかったことはしばしば悪くなる、でも確かなことはゴアが広めた“地球温暖化”という新興宗教が、それが間違っていたことが判ると今度は“気候変動”という言葉を使い始めたことだよね。俺はいつも言っているよ。気候変動について知らねばならない全てのことは、銭を追いかけることで学べるんだよ。アル・ゴアは何億ドルも稼いだし‥‥。世界中の政府は炭素税によって何兆ドルも稼いでいるし、IPCCは、我々が皆徒歩で行動して家の中に座って暗闇で凍り付いて(つまりエネルギーをほとんど使わない)死ぬまでハッピーにならないよ。」

「最近の保険会社、シーメンスやGEなどの大会社、米軍、世界中の多くの政府は、これら地球温暖化や気候変動に対応するプランを作成し、その予算化、危機シナリオ作り、気候変動や海面上昇への対応策も出来ているよ。」

「たとえ米国が地球温暖化/気候変動についての条約にサインし、それが国連推奨のものであっても、我々は大変な状況に追い込まれる。中国が最大の環境汚染国になり工業力も成長し続けていて、欧米にとって経済的に脅威になっている。そこでこんな気候コントロール認知の宗教もどきのことをやるのは、資本主義を叩いて攻撃することに他ならない。」

<解説>
この記事は一昨日に日本のYahooにも掲載されていました。私が解説するよりもそれを読んでいただいた方がよくわかると思います。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141102-00000043-mai-env
 コメントを読んでいて感じたのですが、米国はかなり中国の存在を意識しているようです。経済成長が目覚ましく、今や世界第二位の経済大国ですから。そして中国の環境汚染に対しても批判的です。
日本の場合、2008〜12年の温暖化ガスの総排出量の平均は1990年比で8.2%減となり、先進国に排出削減を義務付けた「京都議定書」の目標値(6%減)の達成が確実になりました。節電や森林による吸収、排出量取引などの「京都メカニズム」の活用が貢献し、08年のリーマン・ショック後の景気低迷も影響しました。
しかしこの記事によると、EUのリーダーらは2030年までに排出量を1990年比で40%削減することを合意しました。来年のパリサミットでは、日本に対しかなり厳しい要求が付きつけられることも十分に考えられます。
そして米国はどうするか、中国はどうするか。これらの国にもぜひ前向きに地球温暖化や気候変動の問題に取り組んでほしいです。