世界は環境問題をどう見ているか(15)

今回は風力発電に関する話題です。再生可能エネルギーとしては日本では太陽光発電が最も多く採用されていますが、風力発電再生可能エネルギーの一つとして期待されています。そうは言っても問題が無いわけでもないようです。出典はYahooカナダです。

https://ca.news.yahoo.com/turbine-foes-looking-weigh-huge-wind-farm-appeal-090009260.html

2014.11.17

Wind turbines like 'nightmare neighbours' but law 'rigged,' court told
風力タービンは“悪夢のような隣人”だが法令に“不具合”あり、裁判官は語った

<本文要約>
風力発電タービンは、近隣住民たちの気持ちを乱してこの地域から出ていくよう仕向ける新しい隣人のようなものだ。この隣人は鼓膜を破るほど荒っぽいことはしないが、少しずつ狂わせていく。そして彼らにはこの状況を解消するための法的対処の手段が無い。」カナダのオンタリオ州の法廷にて大規模な風力エネルギープロジェクトと闘っている4家族の弁護士は、そのタービンをうるさくて横柄な隣人に例えた。
家族たちは法廷にて、このような大規模な風力発電の認可に関連した州条例は憲法に反すると訴えている。現行の州条例が、健康への潜在的な影響に関わるそのプロジェクトを中止することを不可能にしているからだ。
新しい証拠として新健康カナダ研究を紹介したファルコナー氏は、風力タービンの健康への影響についての科学は未解明であると語った。11月6日にリリースされた政府の研究のまとめによれば、風力タービン騒音と健康への影響(頭痛、高血圧、ストレス)とは直接関係がないとのことであった。しかしその研究は、タービンの騒音とひどいイライラとの関係まではカバーしていない。
州政府が状況について議論する機会が得られるなら、法廷での審理は今後も続けられる。

<コメント紹介>
コメントは94件でした。ほとんどが風力発電に批判的です。

「風力エネルギーの“ビジネス”なんて幻影だわ。政府の手厚い補助金がなければ、こんなビジネスなんて存在しないはずよ。この産業を支えるのに必要な資金は州のポケットから出る、そして州の許可なしに出ていく、そしてそれ自身で自立するのに十分な収益を上げることができない産業を支えるために。それは、私たちの美しいオンタリオ州の費用負担で巨大な外資系会社のために巨額の資金を出し続けていることになるんじゃないの。現実の世界では、製品の売値より多くの費用流出が発生し続けて、ビジネスが成立するわけないわ。」

「田園地帯がタービンの設置場所になっている。醜い、廃墟のような、そして非効率的な。だれもその醜さに気が付いていないところに立っているプラントのモンスターさ。」

「風力タービンについては、ひとつ面白い見方があって、皆忘れているだろうけど、タービンは中国で製作されているんだ。そのタービンを製造するため、中国では石炭火力発電を増設している。ゆえに、風力発電は環境によい取り組みに見えるけど、中国はむしろそれで公害を増長させているんだよ。」

「風力ファームなんていうのは単なる政府の見世物ポニーだね。発電するのに都合のよい方法ではないよ。」

「私は人生でこれまでめまいを感じたことはありませんでしたが、この風力タービンの前に立った時初めてめまいを感じました。しばらく離れてみたら回復しました。そして再びタービンの前に立ったら、再び同様にめまいを感じました。またそれは、数年前私が船に酔ったときの感覚を思い出しました、あのときも陸に戻ったら回復しましたが。
一体誰がこんなタービン導入を承認したんですか。誰がそれによる恩恵を得たのですか。非常に忌まわしい光景です。」

「なぜ風力発電タービンをオンタリオ湖上に設置しないの?」

<解説>
いかがでしょうか。風力発電って言うのはまだ日本には決して多くありませんが、クリーンで爽やかでエコな良いイメージを持っていらっしゃる方がほとんどでしょう。低周波騒音が出るということを聞いたことある方はいらっしゃるかもしれませんが、これほどの問題に発展しつつあるという認識は無かったのではないでしょうか。
 再生可能エネルギーとしては、太陽光に続く2番手または3番手として普及する可能性はあります。固定買取価格として、小型のものなら1kWhあたり57.75円に設定されているようです。しかしこのようなカナダの事例に学んで、普及を進める場合は十分に慎重に進めて行くべきでしょう。最後のコメンターが言う通り、陸地ではなく海や湖の上に設置するのも得策と思います。