廃棄物処理技術者の活躍

ある大都市の防災環境部の方の話を聴いた。

ゴミ埋立て処分量が、年々減少しているそうだ。
平成10年は28万tだったが、平成21年度はその1/4以下となる6.2万tだそうである。ゴミ焼却灰を溶融して減量するなど、多くの技術的取り組みが功を奏したらしい。

しかし、市の担当者は、そのことを大きな声で言わないようにしているそうだ。言ってしまうと、市民が安心してしまい、ゴミを減らそうと努力しなくなる恐れがあるとのことである。また市民から「10年前、埋立て処分地が足りないと言って騒いでいたけど、あれは何だったの」と思われるのもシャクにさわるそうだ。F干潟をごみ処分地にすると言って大騒ぎになったこともある。

市の立場や言い分は、よくわかる。
でもこれに関わった技術者らの功績は大きいはずで、環境保全に対する貢献度は計り知れない。にもかかわらず技術者の名声は大きく取り上げられることは無く、いずれ忘れられていくだろう。自分も技術者の一人として、大変さみしい。

小中学生の理科離れや高校生の工学系離れに歯止めをかけるためにも、ある程度技術者の活躍ぶりをクローズアップしてほしいと思うのだが。

技術者以外に、多くの関係者の思惑が交錯するので、難しい話である。