世界は環境問題をどう見ているか(19)

今年最後のアップです。
2014年の終盤で明るいニュースが飛び込んできました。それは赤崎先生、天野先生、中村先生のノーベル賞受賞であり、いずれも青色LEDの発明及び開発に関わるものです。このLEDは従来の白熱電球や蛍光灯に比べて大幅な省エネが実現できるのですが、使い方も様々です。でも中国では一風変わった使い方をされることがあるようです。出典はエンガジェットと言う、多言語で展開されている電化製品やガジェットの話題を扱うテクノロジーブログです。米国のAOLというインターネットサービス会社が運営しています。

http://www.engadget.com/2014/12/26/led-mask-concept-lets-you-smile-through-the-pollution/?ncid=rss_truncated

2014.12.26

LED mask concept lets you smile through the pollution
汚染がひどい状態でも、LEDマスクを使えば微笑みが生まれます

<本文>
マスクを顔に装着するのには、いろいろな理由があるものだ。
中国や東アジアの一部では汚れた空気から身を守るためマスクをすることが多い。一方、日本や他の地域ではインフルエンザなどの空中に漂うウィルスを防ぐことが主な目的である。
それらはもちろんその使用目的には適うのだが、毎日の社会的なコミュニケーションを維持するには不都合である。
デザイナーのサイモン・レボディンゴとポール・アダムスは“アンマスク”という試作品を開発した。これはマスクしたままでも感情を伝えることができるようにして、その不都合を解消するものである。
Arduinoボード、LEDディスプレイそして他の部品などを使って、平常、笑い、驚きそしてキスの4パターンをアンマスクに表示するものである。
現在は商品化する予定はない。これは遊び心に満ちた実験でもあり、社会への発信でもある。2人はこのアイディアをさらに発展させ続け、将来的にはさらに小型化し材質も変えて製作するつもりであるとのことである。

<コメント紹介>
コメントはいくつかありました。以下にその一部を紹介します。
「これは悲しい。」
「人々は一生懸命働いて犠牲も払っているけど、収入を得ているので、それでもって彼らやその家族を笑顔にすることができる。でもこうした現状は、その笑顔さえも奪っているのか。どうしてその汚染の排出を減らせないんだ。」
催涙ガスの混ざった笑気ガスを吸ったら、どうなるんだろう?」
「ねえ、みんな、私は、このあたりの汚染レベルがマスクをつけなければならないほど高いということを知っているよ。だから困ったことに、きれいな空気を吸うために何か清浄作用を持つ何かを使わなければならないんだ。しかし今は、皆があなたの小さなタマゴッチさんが微笑むのを見ることができるので、それでいいんじゃないの!」
「嫌だと思ったとき、そんな感情が表れやすい部位は‥‥、つまり目がノーと言っていても、マスクの表示がイエスと言うことがあるわけだ。」
「例えば消防士が怖がっている子供を救い出そうとするとき、その場を明るくして少しでもその恐怖感を和らげることができるんじゃないの。」

<解説>
中国の一部の都市部での大気汚染は深刻です。日本ではPM2.5がよく知られています。原因は石炭や石油の燃焼による煤、工場や建設現場から発生する粉塵、さらには黄砂も含まれるようです。マスクをすれば口元の表情がわからなくなるのですが、それをこんなLED機器で代替するとは、面白い発想です。
今回はどのコメントも比較的ユニークです。いろいろなことを考えるものです。エンガジェットですから、書きこんでいる人は米国人が多いでしょう。おそらく中国人は居ないでしょう。
 あるコメンターは“タマゴッチ”のことを書き込んでいます。タマゴッチと言えば20年ほど前日本で発明され大ヒット商品になった玩具です。米国でも”Tamagotchi”という名前で流行したようです。未だに覚えてらっしゃる人が米国にも居らっしゃるんですね。