世界は環境問題をどう見ているか(24)

今回は米国で起きた汚染物質流出事故の話題です。6年前に米国テネシー州キングストン石炭火力発電所で起こった事故を受けて、このような石炭灰流出事故を防ぐための規制が制定されました。要約文はいつものとおり500字以内に納めましたが、原文はかなりの長文です。出典は米国Yahooです。

http://news.yahoo.com/epa-coal-ash-standards-setback-081012367.html

2014.12.20


<本文要約>
この写真は、2008年12月29日にグリーンピースによって提供されたものである。石炭灰スラリーがテネシー谷のキングストン化石燃料発電所近くの貯留池に残置されていいたが、その堤防が決壊した直後の様子である。それ以来米国環境保護庁(EPA)は、各所で重金属や他の毒物で汚染する石炭灰廃棄物を調査している。その汚物の除去清掃に12億ドルを費やしている。環境問題専門家らは警鐘を鳴らし石炭燃焼の副産物を有害廃棄物として扱うよう訴えていた。
新しく制定されたその規則は漏れのモニタリングを強化し吹き出すゴミを削減するもので、さらに企業に試験結果の公表を義務付けるものである。それらはさらに廃棄物のサイトを密閉することについて規格に定め、構造的に不十分かまたは水路を汚しているものに対し密閉することを要求するものである。しかも新設のピットには防水処理をすることを要求している。
しかしそれは環境保護グループが期待していたものとは違う部分もある。その規制は休止中の発電所まではカバーしていない。またある場合には、新規格に適っていない埋立て地もいくつか現存するが、それらが操業し続ける間は当面適用することになる。



<コメント紹介>
コメントは全部で4件でした。そのうち3件紹介します。

「この記事に応じる全ての環境問題専門家たちは、コンピュータ、照明そして冷蔵庫を使うのを止めろ。あたながただって、石炭火力発電で生み出された電気をさんざん使っているんだろ。そしてそのような電気を使っているあなたがたにも問題があるってことを認めたくないんだろ。」

「もう一度言うけど、彼らが作り出している混乱に対する責任を拒否しているビジネスの例だね。個人の責任に対する考えは、その程度しか無いんだろ。」

「だからEPAは言っているよ、石炭灰ピットを補修しなければいけない石炭火力発電所がまだ幾つか残っているんだよ。そして今は使われていない発電プラントも土壌を汚し続けることになるし、それはたいていこの法の規制の対象から外れるんだよ。石炭灰でないものもあるけど、問題になりそうだよ。」

<解説>
幸いなことに、日本ではこのような大規模な有害物流出事故は少ないです。最近では2012年5月に利根川水系で発生した産廃処理業者によるホルムアヒデヒド流出事件くらいでしょうか。あのときは、利根川水系の水道がしばらく断水することになってしまいました。
海外では時々発生しています。1984年インドのポバールで、農薬工場から猛毒のイソシアン酸メチルが流出し、付近の住民ら1万人以上が死亡しました。2010年にはハンガリーのアルミ工場で重金属や強塩基を含む赤泥が多量に流出し、多数の死者や負傷者を出しています。

 流出事故は、収拾がつかなくなり解決まで長期間を要することが多いです。発生してしまったときの事の重大さを考えれば、とにかく徹底したリスク管理が必要でしょう。特に日本は地震大国ですから、十分な耐震性を有する設備強化も必要でしょう。