世界は環境問題をどう見ているか(35)

Germany Breaks a Renewable Energy Record
ドイツ、再生可能エネルギーの記録を更新


今回は、環境先進国ドイツの再生可能エネルギーの話題です。この国は日本や米国とは比べ物にならないほど、太陽光や風力などから多くのエネルギーを得ています。それが新たに記録更新したとのことです。出典は米国Yahooです。

http://news.yahoo.com/germany-breaks-renewable-energy-record-224630870.html

2015.7.28


<本文要約>
ドイツのエネルギー転換は、石炭や石油などの燃焼によるものからCO2を排出しない電気へと進められ、それが2015年7月25日に新たな節目を迎えた。それは太陽光、風力その他の再生可能エネルギーが、一日のエネルギー需要の78%に達し、2014年5月に記録した74%の記録を塗り替えたのである。10年以上ドイツのエネルギー事情を調査把握しているジャーナリストのクレイグ・モリス氏はそう語っている。 
この記録達成は、ドイツへ強風を発生させた異常な気象現象によるところが大きく、それによってドイツ各所のほとんどの国有風力タービンが大きな出力を得たとモリス氏は述べている。その結果、石炭や天然ガスによるエネルギーの割合が減ったということである。
しかしモリス氏はその数日前に、さらに特筆すべき現象を発見していた。7月22日の夜は、太陽光発電出力がゼロの暗闇であり風もそんなに強くなかったが、風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの割合がドイツの電力需要の25%近くを占めたのである。
「製造業の占める割合が米国より大きいドイツは、米国にとってモデルになる。」彼はそう語った。現在米国は、再生可能エネルギーによる発電量は、全発電量の10%程度である。
<コメント紹介>
 コメントは258件でした。いくつか紹介します。

「それらの成功の一つの要因は、廃棄の削減だよ。米国ではエネルギーの半分を無駄に廃棄している、屋外の照明、空調そして旧態依然な物流ネットワークなどでね。」

「ドイツって資源はほとんど無く税金も高いけど、再生可能エネルギーについては米国をはるかに凌いでいるわ。この違いは何かしら。ドイツの政治家たちは買収されることなく、特別な利害を睨んで行動しているんじゃないかしら。」

「ドイツには米国のような環境保護庁はなく、風力発電は鳥を殺すことがあるとかいう理由で反対するような、やりにくい環境団体の連中も居ないからいいよね。」

「カーボンフリーって?本当か? これは全体としては誤った方向へ行こうとしてるね。確かに風力や太陽光はエネルギーを生み出す際に二酸化炭素を発生していないけど、カーボンフットプリントとしてはゼロじゃないよ。これらのシステムの製造のことを考えれば判るけどね。」

「気づいているかな、彼らはカーボンフリーのエネルギー供給量を向上させただけでなく、その高度な工業国はより省エネ型の設備を揃えているよ。他のポスターによれば、その数字は一人あたりの1年分の家庭の電気消費量をキロワット時で表したものだよ。それはどこか保守的な運営団体のウェブサイトから引用したものだよ。それがどの程度信憑性あるものか知らないけど、正確な数字のように思える。」

「でもドイツは新たに石炭火力発電所を建設して、国内の高コストな電力を減らそうとしているよ。」

<解説>
 エネルギー事情は、国によってかなり違います。米国は石油資源が豊富な上に、最近では新エネルギー源としてシェールガスも発見されました。ロシアは天然ガス、中国は石炭が豊富のようです。しかしドイツは工業国であるにもかかわらず化石燃料のエネルギー資源も乏しいです。よってこのように再生可能エネルギー主体で進めるような政策を打ち出したのでしょう。それにしても再生可能エネルギー割合が78%とはすごいです。もちろんCO2排出量削減にも大きく貢献しています。
 日本もドイツと似たような境遇と言えるでしょう。エネルギー資源の乏しい工業国ですから。再生可能エネルギー使用をある程度進めていますが伸びは鈍く、今でも化石燃料によるエネルギーが主体です。
ところで最近、川内原発再稼働が話題になっています。CO2を排出せず化石燃料枯渇の恐れも無い発電方法ですが、安全性に問題がないわけではないようなので反対派も多いです。でもこの工業国の将来のエネルギー源として、育てておかなければいけない技術の一つだと思うのですが。