世界は環境問題をどう見ているか(48)

At the melting point: Alaska has its warmest spring on record
気温が雪解け温度に達した日付けによれば、アラスカは記録上最も暖かい春であった

 今回紹介するのは、アラスカの温暖化の話題です。我々の住む日本よりもずっと北にあり、いかにも寒いという印象がありますが、そこでも異変が起こっているようです。出典は米国の新聞社ワシントンポストです。

https://www.washingtonpost.com/news/capital-weather-gang/wp/2016/06/08/at-the-melting-point-alaska-has-its-warmest-spring-on-record/

2016.6.9

<本文要約>
アラスカ州全体の春の平均気温が32℉(0℃)になったのは、初めてのことである。これは寒いようにも思えるが、アラスカの91年間の気象記録の中で最も暖かい春だったか、またはそれに近い。これまで最も暖かった春は、1998年の平均気温30℉(-1.1℃)であった。
5月は、アンカレッジやフェアバンクスなどのアラスカの都市がワシントンやニューヨークよりも暖かい即ち天候パターンの逆転現象がしばしば発生した。
米国最北端の地であるバロー観測所では、5月13日には早くも全ての雪が解けたが、これは73年ぶりの記録更新である。NOAA(米国海洋大気庁)によれば、2002年の最も早い雪解け日より何と10年も早いそうである。
アラスカのほとんどの地域で、これまでにない暖かい年であることを記録している。予報官らはアラスカの気温について、例年の平均的な実績をもとに楽観的な時間的予測をしていた。今年の強力なエルニーニョ、そしてそれに関連する太平洋の温暖化は、おそらく太平洋の10年サイクルの温暖化によって起こっているのであろう。そして今が温暖期であろう。
そしてこの温暖化は、空気中の温室効果ガス濃度が増えることにより気温が上昇したことが背景にあるのではないだろうか。

<コメント紹介>
コメントは全部で13件でした。そのうち4件を紹介します。

「凍結した道路を走るドライバーたちにとっては良いニュースかもね。」

「ウソだ、ウソのプロパガンダだ。これらはエセ科学者らが作り上げた話で、彼らは石油の巨大なマネーの圧力に動かされているんだ。」

「この暖かさはカナダのアルバータ州で発生した大規模な山火事の影響もあるんじゃないの。その北方林は今年の冬はそんなに雪が降らなかったし、北のはずれにあるスプルースやカラマツの木はこの夏は乾燥しているよ。だから、さらに深刻な山火事がカナダやアラスカで発生するんじゃないかな。」

「まあいいけど。ところでアラスカからはロシアが見えるよ。そこでは誰かその雪解けの早さについて憂慮している人が居るのかな。」

<所感>
 まずは地図をご覧ください。過去の春季の平均気温より高い地域は赤色、低い地域は青色で示されていますが、ほとんどが赤色で、それもかなり濃い赤になっている部分が多いです。なかなか衝撃的な図です。今春アラスカは本当に暖かかったようですね。
 太平洋で発生しているエルニーニョ現象の影響だけでなく、地球温暖化の影響もあるだろうと記されています。そしてあるコメンターは、あのカナダの巨大山火事の影響もあるだろうと言っています。そしてこれらの説は全ていかがわしいと言っているコメンターも居ます。
 いずれにしろ世界的な地球温暖化は進んで来ていると見ていいでしょう。ご存知のとおり昨年12月に開催されたCOP21では、日本は「2013年比で2030年までに温室効果ガス排出量を26%削減する。」と宣言しました。日本以外の国もそれぞれCO2排出量削減を宣言しています。世界的な温暖化対策は、これからが本番でしょう。