燃料転換による省エネは難しい

ある食品会社から、ボイラーの省エネについて質問を受けた。「燃料を重油からガスに換えるとどの程度省エネ効果があるか」ということであった。

今、都市ガスはほとんど天然ガスであるが、都市部ではボイラー燃料の重油を安くてクリーンな天然ガスに換えて、省エネによるコストダウンと環境にいいことを一緒にやるという例が増えているという。

しかし郊外では、ガスと言えばプロパンガス(液化石油ガス)になってしまう。調べてみたが、天然ガスほどコストダウンにはならない。しかも都市部のガスみたいに市内に配管経路が整備されているわけではないので、どうしてもボンベで購入することになり、設置スペースが不可欠となる。

地元ガス会社やボイラーメーカーに問い合わせても、やはり、この燃料転換は得策とは言えないとのことであった。

しかも石油やガスなど燃料の価格はよく変動する。今これが得だと思っても、数年先にそれが有利とは限らない。一昨年、ガソリンが1リットル200円近くまで上がったことがあった。

食品会社にもそのことを伝えた。都市部に対する郊外部のハンディの一つかもしれない。思い通りにはいかないものである。