父親の壁

自分の回りで、携帯電話を持っていない人は、ほとんど居なくなった。年輩の人を除けば、持っていないのは1%以下ではないだろうか。

携帯電話の良いところは、直接本人と話せることだろう。

自分の若い頃は、それぞれの自宅に電話するしかなかった。
そこで、本人に取り次いでもらうのであるが‥‥。

若い女性が目当ての場合、何故か本人が直接出ることは少なく、親が出ることが多かった。
嫌なのは、父親が出た場合である。
「君は誰かね?」「うちの娘に何の用かね?」と言われると、緊張して、まともな会話ができなくなってしまうことがあった。別に悪いことをしようと考えているわけではないのだが、気まずくなってしまう。今思うと、そこでもっと堂々と話せば、その父親の好感度も上がり、物事が良い方向に進んだかも知れなかった。

でも今の若い人たちは、そういう心配をしなくても良い。好きな時に好きなだけ好きな人と携帯電話で話すことができる。「父親の壁」を意識しなくても良い。

親戚に、40歳前後で独身の女性が居る。
携帯電話を持っていない。理由はよくわからない。
「携帯電話くらい持っていた方がいいよ(男に話しかけられやすいから)」と勧めるのだが、言うことを聞かない。

あとはその父親が、壁にならないよう、やさしい話し方をしてくれることを願う。