世界は環境問題をどう見ているか(12)

今回はエコカーの話題です。いかにして環境にやさしい、そして燃費の少ない車を開発するか、世界の自動車メーカーは日々しのぎを削っています。1997年にトヨタが世界初のハイブリッド車プリウス”を発売した時、世界中の自動車会社は度胆を抜かれたようです。そして今、ハイブリッド車に続くエコカーは電気自動車か水素燃料電池車か、注目されています。出典は米国Yahooです。

http://news.yahoo.com/toyota-no-one-wants-us-build-electric-cars-151330566.html

2014.10.31

Toyota: 'No One Wants Us To Build Electric Cars'
トヨタ曰く、「誰もウチの会社に電気自動車を造って欲しいなんて思っていない」

<本文要約>
トヨタは世界3大自動車メーカーの一つとしてだけでなく、ハイブリッド車の世界的リーダーとしても良く知られる。最近、ロサンゼルスタイムズの記事“トヨタ、ホンダ、ヒュンダイ燃料電池車プラン“の中で、ある一つのトヨタ関連会社の幹部が注目すべき発言をした。「誰もウチの会社に電気自動車を造って欲しいと思っていない」その会社の先端技術国内マネージャーのクライグ・スコット氏はそう言ったのだ。
しかし現在トヨタの最初の電気自動車RAV4のオーナーたちが数百人存在する。それも加えて現在のトヨタ電気自動車RAV4のドライバーは2,600名と推察される。彼らはこの発言にはそれほど同意できないだろう。
さらに上記の発言内容をより深く考えれば、以下の2つの疑問点が浮かび上がる。
第一に、1997年トヨタが日本で最初にプリウスを発売したが、それはユーザーのからのハイブリッド電気自動車としての要望に応えたものではなかったか、ということである。実際にはその後約20年プリウスを凌ぐ低燃費車は出てこなかったのだが‥‥。
二番目に、この2014年トヨタのユーザーの中に水素燃料電池車を造って欲しいとお願いした人が居たのか、ということである。
それらのことが知りたい。

<コメント紹介>
コメントは194件でした。5件紹介します。もちろんかなり意訳してあります。
「私は石油やガス会社からは何ももらっていないし興味もない、でも私が望んでいるような電気自動車はについて実用化できそうもないことを知っている。例えそれが実用化できて存在したとしても、それはマイホームよりも高価であり、私には買えない。私の年齢からしてあと40年は生きていられるだろうが、こんな車を買うつもりはないね。」

「誰も電気自動車を運転したいと思わないだろうね、だって毎日の通勤範囲を超えて使うとしたら、インフラ整備があまりにも少ないからね。トヨタはそんな馬鹿げた話から手を引いたんだろ。その上それらの車はどれも脆弱で、退屈で、デザインも悪い、その上あまりにも高価だ。」

「そうだね。水素燃料電池は長距離ドライブが可能なのでなかなか良いけど、それは短時間で充電できるからなんだよね。電気自動車は充電に何時間もかかるけど、誰がそんなに待てるって言うんだい。近距離のドライブだけならそれで上等だけどね。そして一回の充電で800マイル(1,280km程度)走れるなら、そして価格がマイホームほど高くなければ、買ってもいいけどね。」

「車メーカーが電気自動車とともに抱えている大きな問題のひとつは、販売してメンテナンスするために実現可能なビジネスプランを捻出しなければならないということだよ。それ(電気自動車)はメンテナンスをほとんど必要としていないので、ディーラーはどこでその利益を作り出すのか。私は2012年型LEAF(日産が発売した電気自動車)を持っていて既に47,500マイル(76,000km)走ったが、メンテナンスや修理には全くお金がかかっていない。車を店へ持っていったのはバッテリーの年次定期点検の時だけなので、ディーラーがなぜ電気自動車を売りたくないかが判った。それで、テスラはディーラーが居ないルートへ行きたがるわけだよ。」

「テスラの中に有力な投資家が居て、テスラ車の生産工場がトヨタの古い工場だったとしたら、面白いことになるぞ。」

<解説>
いかがでしょうか。さすがに米国は車社会だけあって、車の技術的内容だけでなく車を取り巻く情勢や世の中の仕組みまで詳しい方が多いようです。そして電気自動車に対しては悲観的な意見が優勢のようです。
 燃料電池車、電気自動車、ハイブリッド車のそれぞれの特徴を整理しておきます。下記URLをご覧ください。
http://燃料電池.net/fcv/ev-hv.html

 燃料電池車、電気自動車いずれも環境性能はかなり良いようですが、電気自動車の欠点として“航続距離が短い”ことが挙げられます。そしてこのことはコメントの中で指摘している人が居らっしゃいます。米国のような広い国では、これが致命的なんでしょうね。そして他のコメントによれば、電気自動車はかなり高価なようです。
 米国では、今のところ燃料電池車が電気自動車をリードしていると言ったところでしょうか。そして我が日本はどうなるか、しっかり見守って行きたいです。

 写真は米国コロラド州で開かれたアスペンアイディアフェスティバルで展示されたトヨタ燃料電池車“FCV”です。