世界は環境問題をどう見ているか(34)

34 Don't Panic! It's Just A Blood-Red Lake.
  パニックにならないで! 真っ赤な血のような色の湖

今回は、トルコのある湖の話です。琵琶湖の2倍以上の面積なのですが、それが一面真っ赤になったということです。一体何が起こったのでしょうか。出典は米国ハフィントンポスト系の発信社である”The World Post”です。この真っ赤な写真は、衝撃的です。

http://www.huffingtonpost.com/entry/turkey-lake-red_55ae9126e4b08f57d5d2b253?

2015.7.21


<本文要約>
トゥズ湖はトルコのアクサライにある塩湖だが、大量の藻類の花が珍妙なピンクの色調となり、まるで悪魔のスイミングプールのようである。だが心配は要らない。この色調の変化はこの世の終わりの前兆でもないし、環境災害でもない。このような塩水性藻類はほぼ無害であり、ピンク化は毎年発生している。
湖水が夏の暑さで蒸発し、主に藻類を食べるプランクトンが死んだためであると、ストーニー・ブルック大学海洋環境学教授のクリストファー・ゴブラー氏はABCニュースに語った。
「今や藻類は繁殖を続け、おそらく来月つまり夏の暑さのピークのころ完全に湖が蒸発するまで赤く染まるだろう。」とも語った。ゴブラー教授によれば、その水を飲むことは勧められない、そしてその生命体は抗酸化作用を持つとのことである。
またトゥズ湖は世界最大級の塩湖の一つで、トルコ中央高原の地層陥没地帯に位置している。近年は、面積は580平方マイル(1,500km2)程度で、水深は3〜6フィート(1〜2m)である。
湖は毎年夏を迎えるたびに小さくなり赤味を増している。塩原の裂け目の辺りに位置し、トルコの国の半分の塩がここから供給されている。そしてスナップ写真目当ての観光客が訪れている。
<コメント紹介>
コメントは4件でしたが、そのうち3件紹介します。残りの1件は英語ではないので、私には解読不能です。

「こりゃLCLだね。神さま。サードインパクトが近づいているよ。」

「次は蛙かな。続いてシラミが涌いてくるよ。」

「こういうことは米国ユタ州のグレートソルト湖の北側の湖でも起こっているよ。ここでは湖が東西に走る鉄道路線の堤防で仕切られていて、そこから南側の湖はきれいな水で満たされているよ。グーグルの衛星画像で見ることが出来るよ。」

最初のコメントは理解不能ですが、新世紀エヴァンゲリオンのアニメを見たことのある方ならLCLサードインパクトのことが判るでしょう。

<解説>
 赤潮っていう現象が日本近海では起こることがあります。名前くらいは知っている方が多いでしょう。これもある特定の生物が異常に繁殖して発生するもので、その点では似通っているかもしれません。でも赤潮の原因となるのは、シャットネラ・アンティーカ、コクロディニウム・ポリクリコイデス、カレニア・ミキモトイなどの植物性鞭毛虫類であり藻類ではないので、トゥズ湖で発生している現象とは違います。
 でもこの湖の場合は、人々の営みによる環境破壊ではないようですし、この現象による人体への悪影響や被害も報告されていないようです。でも役に立つようなことでもないようです。