世界は環境問題をどう見ているか(47)

Solar power plants take to the seas with new floating platforms
  新型浮体プラットフォームを装着した海上ソーラー発電

今回は太陽光発電の話題です。日本でも至る所で見られるようになりましたが、家屋やビルの屋根、田畑の休耕地、空き地などいずれも陸地ばかりです。あるウィーンの技術者は、海上設置型のソーラーパネルを考案しました。出典は米国Yahooです。

https://www.yahoo.com/tech/comes-sun-heliofloat-floating-solar-141248235.html

2016.4.28

<本文要約>
洋上風力ファームの人気が高まっている。ウィーン工科大学の技術者が開発したこのユニークなアイディアは、ヘリオフロートと呼ばれる浮体で海上太陽光発電施設としての機能を持つ。
そのウィーンの技術者の話を詳述すれば、そのヘリオフロートは開放型底部構造を有し、サッカー場1つ分程度の広い柔軟な浮体であり、その上には隅から隅まで余すところなくソーラーパネルが敷設されている。またヘリオフロートはそれぞれが独立して稼働することも可能であり、中小規模なエネルギー需要のために稼働規模を少なめに抑えることもできる。互いに結合させて多重型ヘリオフロートとすることも可能で、海上浮遊型の太陽光送電網とすることもできる。
100m間隔で設置されたヘリオフロートは、悪天候でも姿勢を維持できるように設計されている。すなわち浮く力を維持できるよう樽状浮体を使って施工されている。そしてこのヘリオフォートは安定しているというだけでなく、底部開放型のデザインのため軽量で建設費も削減できる。
研究者らは、ヘリオフロート技術は有望であり、スピンオフ型企業にプラットフォームのアイディアを開発させることによって発展させることができると見ている。

<コメント紹介>
 コメントは全部で23件でした。肯定的な意見も否定的な意見もありました。そのうち5件紹介します。

「うーん。でも天然ガスや石油の70%は輸送目的に使われているからね。太陽光発電風力発電はそれには寄与しないよね。」

「どうやってその電気を陸地まで導くんだ?」

「素晴らしいアイディアだね。現段階では、設置場所が陸上だろうが海上だろうが太陽光発電の効率は良くはならないだろうけどね。」

「アシカがやって来てそこに居座るよ、どうやって守るの。」

「こうしているうちに中国は海上原発を建設中だよ。理由は毎年排出される廃棄物をこっそり処分できるからだよ。」

<所感>
 いかがでしょうか。
ウィーンと言えば、ご存知オーストリアの首都で、海のない内陸国です。そんな国の技術者が海上設置型のソーラーパネルを開発することもあるんですね。
 日本は人口密度が高く、ソーラーパネルを設置するような土地を確保するだけでも苦労することがあります。そして四方を海に囲まれた島国です。だから海上設置型のソーラーパネルは有望かもしれません。これが本格的に実用化すれば、日本の再生可能エネルギーによる発電量はさらに伸びるでしょう。そしてその分、化石燃料消費量が削減でき、CO2排出量も削減できることになります。
ただその場合、海の生態系への影響、漁業への影響はどの程度になるでしょう。そして沿岸の観光業にだって影響はあるでしょう。難しい問題です。