世界は環境問題をどう見ているか(10)

今回は地球の北の果てアラスカのレポートです。この本文だけ読んで、何故これが環境問題に関係あるのかピンと来た方は、環境問題についての知識が比較的豊富で特に地球温暖化問題に関心のある方だと思います。出典は英国&アイルランドYahooです。
https://uk.news.yahoo.com/polar-bear-breaks-home-alaska-village-161129908.html#UD38gbs

2014.9.14

Polar bear breaks into home in Alaska village
アラスカのある村で、北極グマが家に侵入し破壊行動

<本文要約>
ルビー・カリーク氏はアラスカ州のカクトヴィック村で北極グマのパトロ−ルを行っている。ほとんどはビュフォート海(アラスカ州北側の海)へ戻って行く動物たちの追跡調査の仕事である。
1頭のクマが家の中にいるという連絡を無線機で受けた。12ゲージのショットガン、爆竹、鉛玉で武装して、直ちにそこへ向かった。
そこで彼女が見たのは家の通路の中の影であった。そして大きな北極グマの頭が現れた。「あまりにも大きかったので驚いた。」カリークは言った。首と頭が私の身長の半分くらいだった。
その家には81歳のベティ・ブロワ−さんが一人で住んで居た。そのクマは家の中のアザラシ油のドラム缶の上で遊んでいた。カリーク氏が到着したあとクマは逃げていった。
北極グマは普段は海上の氷の上に生息し、アザラシなどの獲物を得ている。その氷山が縮小し、多くのクマが食べ物を探して陸地に残されている、というのが米国地質調査所の見解である。腹を空かせたクマたちが村に近づき漁師が残したクジラの骨をあさっている。「クマたちは食べ物が無くなったので、その積んである(クジラの)骨を食べに来ている、他の食料が無いのだろう。」カリーク氏はそう述べた。

<コメント紹介>
コメントは全部で82件でした。その一部を紹介します。

「クマが大都市を歩いていたら、驚いて気絶してしまう。これからは、どこでもクマに遭遇することが普通になるのかな。そういうことなら、これからもこんなレポートがあるだろうね。」

「クマを引き寄せていた骨の野積みが無くなったので、次なる餌を求めて行ったということだろ。地球温暖化を問題視するというほど大げさなことではないよ。」

「アザラシ油は過小評価されている。」

「私はアラスカを愛し、クマを愛する。そしてルビー・カリークさん素敵よ。」

「北極グマは絶滅するよ。98%の科学者はそう言ってるんだよ。」

「もしクマが2匹入ってきて家の中を荒らしまわったら、大変なことになっていたね。」

「私が思うに、クマは取れたてのアザラシを好むが、我々人間は地球の温度を狂わせてしまい、クマたちの食料源である氷山を崩してしまった。我々は北極グマが絶滅する前に給餌すべきだ。」

「信じられない。」

「おい、我々もそこへ探検に行って油類を見つけて絞り出したぞ。クマもそれと同じことをやっただけだろ。」

「このような大きくて立派な動物が、その頭数が減って、今は町の中でゴミをあさって食べているなんて‥‥‥。」

<解説>
いかがでしょうか。
簡単に言うと、地球温暖化により北極海の氷山が大幅に減少し、そこを住みかとしていたアザラシが減り、北極グマたちのエサが無くなってきたということです。
地球温暖化の問題はいくつか指摘されています。例えば、世界各地で干ばつが起こる。洪水が増える。海面上昇により小さな島国が沈んでしまう、また農業や漁業に与える悪影響もたくさん指摘されています。でもこの記事によれば、クマが町に出没して家の中を荒らすなどという問題まで発生するとは、驚きです。少なくとも我々日本では想像できないでしょう。
コメントを読んでみても、皆それなりに驚いている様子です。中にはクマにエサを与えるべきだと言うコメンターも居ます。でも誰がどうやって?そしてエサ代は?

写真は本文と関係ないです。私がロシアを訪ねた時に、凍った冬の海を撮ったものです。