中国で言葉が通じたときのうれしさ

昨年11月、中国徐州の下水処理場へ技術指導へ行った。そのときの出来事である。

その日の仕事が終わり、通訳の方と別れて、ホテルの自分の部屋へ行った時のことであった。
部屋のドアが開かない。鍵を差し込んで、ひねっても、押しても、引いても開かない。だから部屋に入れない。

通訳の方は帰ってしまったので、自分一人しかいない。でも自分は中国語が全くわからない。だからフロントの方に事情を説明しようとしても、できない。

困ってしまった。この日はドアの前で座り込んで一夜を明かすしかないのだろうか。途方にくれてしまった。

突然ひらめいた。もしかしたら漢字で書いた言葉が伝わるかもしれない。

そこで自分のメモ帳に「扉不開」と書いて、それをフロントの方に見せた。

するとすぐに対応してくれた。フロントに置いてあったスペアの鍵で開けてくれた。よかった。おかげで自分の部屋で朝までぐっすり眠ることができた。

英語や中国語など語学の勉強はつまらないことが多い。だからなかなか頭に入らない。でも苦労してこちらの意思が相手に伝わったときは、言葉で言い表せないほどうれしい。そして、もう少し語学を勉強しようという気分になる。そしてこの気持ちをいつまでも大切にしようと思った。

それにしても、なぜフロントのスペアキーで簡単に開いたのだろうか???

<写真1>宿泊したホテル

<写真2>ホテルの自室からの眺め

<写真3>くつろぐ自分